熱伝導率測定装置

リンザイス社熱伝導率測定装置には7種の方式があり、試料の種類や検出項目により機種が異なります。

キセノン/レーザーフラッシュ方式

LFAキセノン/レーザーフラッシュ
(-125℃~600℃、室温~最大2000℃)

キセノン/レーザーフラッシュ法は熱拡散率を測定する装置で、試料の比熱と密度値から熱伝導率が計算されます。
オートサンプラーが内臓されており、最大-125℃~2800℃の広範囲な温度領域での自動測定が可能になります。試料は固体、液体、溶融物、粉体、スラグ等多種の試料に適したサンプルホルダーがあります。
データ解析モデルフィッティングにはheat lossとfinite pulseを補正できるコンバインモデル(DUSZA)を使用することで、フィッティングモデルAzumi、Cowan、Tayler、Degiovanmi、Clark等より適確なフィッティングを行うことができ、正確な測定結果を得ることができます。

定常熱流方式

定常熱流方式TIMテスター
(-20℃~350℃最大)

定常熱流法サーマルインターフェースマテリアルテスター(TIMテスター)は、コンポーネントとインターフェース材料がどのように熱を放出するかについて検討できるシステムで、試料の熱インピーダンスから熱抵抗と熱伝導率を測定するシステムです。測定モードは3種で、圧力コントロール、試料厚さコントロール、試料厚さ%コントロールがあり、固体、液体、ペースト試料に適応できます。
温度範囲は最大-20℃~300℃で圧力コントロールは最大8MPaまで対応可能です。この方法はASTM D5470に準拠しています。

薄膜測定タイプ

TFA薄膜アナライザー
(-20℃~300℃最大)

薄膜アナライザー(TFA)はチップセンサーにコーティングされた薄膜(5nm~25μm厚)試料を測定するシステムで、熱伝導率、電気抵抗、電気コンダクティビティー、ゼーベック係数、エミッシビティー、比熱、ホールコンスタント、モビリティー、チャージキャリアー濃度を検出します。チップセンサーへの試料コーティングには蒸着、スパッタ、CVD、スピンコーティング、ドロップキャスティング、インクジェット印刷等で行います。測定温度範囲は最大-170℃~280℃で半導体、金属、セラミック、有機物材料に適応できます。

ホットブリッヂ方式

ホットブリッヂTHB
(-150℃~700℃最大)

ホットブリッヂ方式THBシステムは薄いシート状センサーに試料を接触させることで、固体、ゲル状、ペースト試料等を簡単に測定することができます。検出項目は熱伝導率、熱拡散率、比熱で最大-150℃~700℃の範囲での測定が可能です。

断熱材測定タイプ

ヒートフローメーターHMF
(-30℃~95℃最大)

ヒートフローメーター(HFM)は低熱伝導率材料(断熱材等)の熱伝導率を測定するシステムです。
この方法はJIS A 1412、ISO 8301、DIN 12667に基づいており最大-35℃~90℃までの温度範囲で、短時間測定を可能にします。サンプルの大きさは205×205×105mm、305×305×105mm及び600×600×200mmの3機種で、熱抵抗と熱伝導率を測定します。

熱電材料測定タイプ

LZTメータ―

LZTメーターは熱電性能指数測定を可能にするシステムで、熱拡散率、熱伝導率、ゼーベック係数を得ることができます。サンプルサイズは長方体で2~5mm×長さ23mm、円筒形で最大6mm径×23mm、ディスク状で10mm、12.7mm、25.4mmが理想的です。

薄膜用レーザーフラッシュ方式

薄膜レーザーフラッシュTF-LFA

薄膜試料レーザーフラッシュ(TF-LFA)システムは80nm~20μm厚さの薄膜試料の熱拡散率を測定するシステムです。光ディスク媒体、熱電材料、発光ダイオード、フラットパネル等あらゆる半導体関連材料評価に使用されています。

超低温領域測定タイプ

ヘリウムクライオ方式ディラトメーター

クライオディラトメーターは-263℃~220℃の範囲で試料の膨張率を測定するシステムです。